持木ユリイカです。

ご自愛強めのおうち暮らし

家にあるものでマスクを作ってみる (ステイホーム中に試してみたい100のこと#1)

現在、我が家にある使い捨てマスクは残り7枚。私は戦慄した。こんな枚数で新型コロナウイルスが蝕む都市生活を生き残れるのか。

コンビニに行くときなんて穏やかな日常に使ってられない。もはや晴れ着である。本当に本当に必要なときのために残しておくんだ。


だが買い物には行かなければならない。自炊で食材が減るスピードは、かつての2~3倍の速度である。当然スーパーマーケットに行く頻度も同じだけ上がる。(ところでスーパーに人集まりすぎでしょ。これだったら空いてる食堂に通った方が安全な気がする。飲食店がいろんな圧力と雰囲気に耐えかね良心から休業してたりテイクアウトしているところが多いけれど、ご飯メインの小さいお店は、来店人数と在店時間の制限をかけるとかの方が良策だったかもしれない。最初からそんな雰囲気にもっていけていれば、という後悔はある。飲食店にはご飯の提供以外の社交の役割が大きいお店も多いし、店の物理的な構造にもよるから、一概に言えなさすぎる。)


とにかく、買い物だとかコンビニに貴重な晴れ着(使い捨てマスク)を使うわけにはいかないのである。


この国には折り紙も着物もある。1枚の紙や布を折ったりひねったりすればどうにかなるだろうと、まず考えたのが、手ぬぐい。家にいっぱいあるし、洗いやすいし。細長いから1枚でマスクとマスクのゴム部分両方使えるのでは?という考えから手にとった。


30分ほど折ったり重ねたりねじったり結んだり格闘したが、分厚すぎて通気性が悪くて苦しいし、ねじりにくい。加えて、柄が大きすぎて、顔にあてるには不自然。ええいままよよとちびっこギャングみたいに単純に顔にあてて後ろに結んだりもしたが、不審者にしかならない。どうやら顔の出る部分が少なければ少ないほど人は「悪」を感じるらしい。


手ぬぐいは却下です。飛沫感染させない、しないためと、自分と相手に安心感を与えるためにマスク付けてるのに、相手に不安感を与えちゃ意味ないですしおすし。


どうやったら快適にかんたんにマスク代用品が作れるのか、マスクに使えそうな布製品でファッションショーを続けた。


結果、2パターンに絞った。まず、ちょっとだけ外に出るときは、軽い質感のコットンストールを巻く。手ぬぐいよりも軽い雰囲気だし、もともと首元に巻くものなので、顔を覆っていても、手ぬぐいほどの違和感はない。


ポイントは、メガネで布を押さえること。その為に、ストールの上辺を少し外側に折って、メガネがひっかかる部分をつくること。大きめのメガネの方が有利である。大きめのメガネの方がどちらにしろ飛んでくるかもしれないウイルスに対する守りは強いのでは(イメージ)


ストールが顔から浮いているのが気になる場合はヘアピンで側頭部に固定すると吉。


もっと本格的に外出せねばならんときは、わかりやすくマスク型のものがいい。手ぬぐいがだめならハンカチを使ってみよう。そして布もの1枚で作りたかったけれど、悔しいが文明を用いよう。ゴムです。ところが家やお店を探せどヘアゴムがない。


しかし、手芸好きの家をなめるなかれ。様々なかたち・素材の材料が揃っている。レザーのはぎれ、ブローチパーツやピアスのパーツ、チロリアンテープからビーズ・ボタン!たくさんの布!様々な手芸の挑戦の歴史から生み出された材料の地層。ちょいと探せばウエストゴムくらい簡単に出てくるのである。


過去の私に感謝しながら、ゴムを切って結ぶ。ハンカチをマスクの縦幅くらいに折って、左右に1本ずつ輪ゴムを通してから、左右を重ねて3つ折りに。形が崩れないように顔にあてて、ゴムを耳にかけたら、これはマスクですね。鏡の前に立つと、そこには現在の状況にちゃんと適応した人間が映っています。


配色は白と黒でシンプルにした。なぜかってディオールの職人がつくっている白い不織布に黒いゴムというシンプルなマスクが格好良すぎたから。シンプルだけれど美しいのです。各メゾンが発表している華やかな柄のマスクもいいけれど、ディオールのが実際的で凛と美しい。繊細なシルク生地で作ったマスクとか日常生活では戦闘力ゼロですよ。


ゴムが無いようちには,,,って人もTシャツくらいありますよね。古いTシャツを良く伸びる方向を確認して、伸びる方向に縦長に細長く切る。それをびよんびよんってすればそこにはゴムのような存在が誕生していますからお役立てください。


「家にあるものでどうにかする」これが文明の崩れかけた都市生活で生き残るための、ひとつの答えではなかろうかね、と飼い鳥に話しかけたら「チュン」と言われた。鳥は話題に乏しく たいてい天気の話かエサの話くらいのもので あまりリコウではないこともないんですよ。

#ステイホーム中に試してみたい100のこと #おうち時間